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おひとりさまのテクニカル分析入門

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はじめに

FXの世界では数秒から数分で桁違いの利益をあげる人がいます。一方で、同じくらいの時間で損を出す人もいます。FX投資のベテランも初心者も同じように、テクニカル指標をトレードに活かしていることが多いでしょう。

 

そして、FXをギャンブルのようにトレードする人は別として、FXの世界でよく使われるのがテクニカル分析です。一般的に、FXのような短期トレードが主流の分野では、テクニカル分析を駆使したトレードが機能することがよくあります。

 

そこで今回は、そんなテクニカル分析について、基礎的なことから実際によく使われているテクニカル指標までをご紹介しています。

 

テクニカル分析とは??

テクニカル分析は、2通貨間のトレンドや、売買タイミングなどを探る際に用いる分析手法です。そして、テクニカル分析ではチャートから発せられるシグナルをしっかり読み解くことになります。そこでチャートの基本をおさらいしておきましょう。

 

ローソク足

1つ目はローソク足です。ローソク足とは、為替の値動きを長方形に表したものです。まるでローソクのような形をしていることから、ローソク足と呼ばれています。

 

そして為替が始値よりも終値が高く終えた場合「陽線」に、始値よりも終値が安く終えた場合「陰線)」に、そして上昇も下落もしない場合「十字足」と呼ばれます。FX業者によって多少の違いはありますが、実際の取引画面では、陽線は赤いローソク足で、陰線は青いローソク足というように色を分けて表示されています。

 

1日の高値と安値をローソク足に加え、1日為替の値動きを表す「日足」が完成します。そこで、毎日日足のローソク足を表に並べていくことで日足チャートになります。その他にも、「週足」の場合は1週間の為替の値動きを示し、「月足」では1ヶ月の為替の値動きを表すことになります。一般的に週足や月足は、為替相場の中長期のトレンドを伺い知る時に利用されることが多いです。

 

一方で、スキャルピングなど非常に短期間で取引を繰り返すスタイルのトレーダーは、1分足や5分足など短い期間の為替の値動きを示すチャートを主に見ています。このように、自分自身の取引スタイルに応じて、主に見るべきチャートが変わってくることを覚えておいてください。

 

チャートから知ることができることはその他にたくさんあり、たとえば「ダブルトップ」・「ダブルボトム」なども投資家に注目されるチャートの形状です。それぞれ、相場の底値圏で現れると反発のサインに、一方で相場の高値圏で出現すると反落のサインと言われています。

 

移動平均線

次に「移動平均線」です。移動平均線とは、一定期間の為替の終値平均を結んだ折れ線グラフのことです。この移動平均線を確認することで、為替のトレンドが一目でわかり、為替チャートの形状をチェックするのと合わせて利用されることが多いです。

 

移動平均線にも多くの種類があり、たとえば「25日移動平均線」は、その日からさかのぼって25日間の終値を合計し、25で割ったものが1つ目の移動平均値となり、次の日からも同じように計算して折れ線グラフ化することで、25日移動平均線となります。 その他にも、短期線である5日や10日、中期線の50日や75日、長期線の200日などがあります。それぞれ短期のトレンド知りたい場合は短期線を、長期トレンドを確認したい場合は長期線を見ることになります。

 

その瞬間瞬間では突発的事象により為替相場がイレギュラーな反応を示すこともありますが、平均値をとることで、相場の大きな流れをくみ取ることができます。そして、足元の為替レートが移動平均線から大きく乖離していれば、買われ過ぎもしくは売られ過ぎのサインとして、相場は自律的に修正が入る可能性があると先読みすることもできます。
また、短期と長期、もしくは短期と中期の2本の移動平均線を組み合わせることが一般的で、相場のトレンドを捉えやすくなります。2本の移動平均線を利用することで「ゴールデンクロス」や「デッドクロス」という売買サインを見ることができます。

 

ゴールデンクロス

ゴールデンクロスとは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上へ突き抜けていくことで、買いサインとなります。一方でデッドクロスとは、先ほどとは逆で、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下抜けていくことで、売りサインとなります。

 

次項からはFX投資家が普段からよく使う代表的なテクニカル指標をご紹介します。

 

代表的なテクニカル指標を知ろう

まずテクニカル指標には、レンジ相場で機能しやすい「オシレーター系」のテクニカル指標としてストキャスティクスやRSIなどがあります。また上げ相場や下げ相場といったトレンドが出ているときに機能しやすい「トレンド系」のテクニカル指標として、移動平均線やボリンジャーバンド、一目均衡表などがよくつかわれています。

 

一般的に、オシレーター系のテクニカル指標は、為替レートが大幅下落したときに買いを入れるような、いわゆる逆張り投資に便利な指標です。一方で、トレンド系のテクニカル指標は、為替レートが上昇しているときに、自分も買ってついていくような、いわゆる順張りトレーダーにとって便利な指標となります。

 

それではまず、トレンド系の指標から解説していきましょう。

 

まずは先ほども少しお伝えした移動平均線です。さらに移動平均線から知ることができることとして、現在の為替レートが移動平均線よりも上にあれば上昇トレンド、下にあれば下落トレンドと見ることができます。 また、移動平均線が上向きであれば上昇トレンド、下向きであれば下落トレンドを意味します。

 

ただし、1つ大切なことをお伝えしますと、どのテクニカル指標を使っても、相場に絶対ということはなく、そのテクニカル指標がうまく機能しないということも多々ありますので注意しましょう。そして、少しでもFXの世界で勝っていくためには、これからご紹介するテクニカル指標を組み合わせて、予測の精度を高めていくことが重要となります。

 

ボリンジャーバンド

次にボリンジャーバンドです。ボリンジャーバンドとは、統計学をもとに算出され、移動平均線を中心として上下に引かれたライン(バンド)のことです。この上下のバンドに挟まれたレートが、統計的に将来の為替レートの変動幅を表します。一般的に、ボリンジャーバンドはトレンド系のテクニカル指標に分類されますが、順張りと逆張り投資の両方に使える便利な指標といえます。

 

通常、東京時間では逆張り投資家が多く、ボリンジャーバンドも逆張り投資の際に機能しやすいです。一方で、欧米時間では順張りとなる傾向が多く、ボリンジャーバンドも順張り投資の際に機能することがあります。

 

ボリンジャーバンドでは、「σ(シグマ)」という記号を使います。このシグマとはσとは統計学で使われる用語で、平均からのばらつき度合いを示すものです。 たとえば、+2シグマと-2シグマに為替レートの値動きが収まる確率は95.44%とされています。±1シグマの場合は68.26%、±3シグマの場合99.73%となります。
そこで、ボリンジャーバンドを逆張り指標として使う場合、たとえば東京時間で、足元の為替レートが+2シグマにタッチしたら売り、-2シグマにタッチしたら買いという投資判断ができることになります。
また、ボリンジャーバンドの幅が狭まった状態から、大きく広がり始めるところが、レンジ相場からトレンド相場へ転換する兆しと見ることができます。 そこで、欧州時間に入っていたら、為替レートが大きく下落しているなら、その方向についていく順張り投資として利用することも可能です。

 

ここからは、一目均衡表をご紹介します。一目均衡表は、実は日本人が生み出したテクニカル分析手法です。

 

一目均衡表

一目均衡表は「雲」、「基準線」、「転換線」、「遅行スパン」の4つから成り立っています。
基本的には、ローソク足と雲の位置関係によって、トレンドを推し量ることになります。ローソク足が雲より上で推移している場合は上昇トレンド、ローソク足が雲より下で推移している場合は下落トレンドと推測することができます。
また、基準線と転換線の位置関係によっても、トレンドを知ることができます。なお基準線は中期のトレンドを、転換線が短期のトレンドをそれぞれ示しています。

 

そして転換線が基準線より上に位置していれば上昇トレンド、逆に転換線が基準線より下に位置していれば下落トレンドとなります。また、移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロスのように、短期の転換線が中期の基準線を上に抜けると買いサイン、転換線が基準線を下に抜けると売りサインと判断することもできます。

 

以上がトレンド系の代表的なテクニカル指標です。そしてここからは、オシレーター系のテクニカル指標をご紹介します。

 

MACD(マックディ)

トレンド系の各指標もとてもポピュラーですが、MACD(マックディ)もよく使われているテクニカル指標です。移動平均線と似たような使い方をして、トレンドや売買タイミングを知ることができる便利な指標となっています。なおかつ、比較的精度の高い指標であることが人気の秘訣のようです。

 

そして、MACDは「MACD」と「シグナル」という2つのラインをもとに、MACDがシグナルを上抜けたら上昇トレンドへ転換として買いサインとなります。一方で、MACDがシグナルを下抜けたら下落トレンドへ転換として売りサインとして捉えることができます。
と見ることができます。

 

また、移動平均線と同じように、MACDとシグナルの傾きが急であるほど、そのトレンドが強いと判断することもできます。

 

最後に、先ほどお伝えしたことの繰り返しになりますが、テクニカル指標に万能なものはありません。そのため、いくつかの指標を組み合わせて活用するとか、もしくは実際にテクニカル分析を駆使してFXで利益をしっかりあげている人の手法をまねるなどして、FXで勝てる確率を高めていきましょう。

 

《出典》
外為オンライン 実践チャート術

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