「基礎年金番号通知書が見当たらない。再発行してもらった方がいいのかな」。一人暮らしの千鶴さん(仮)、68歳。年金の相談に備えて書類を整理していると、番号が分からないことと、通知書がないことを、同じ問題として考えていたことに気づきました。
通知書をなくしても、すぐに再交付の申請が必要とは限りません。番号を確認できれば足りるのか、書類そのものが必要なのかを分けるのが先です。年金を受給している方には、年金証書で代用できるという大切な違いもあります。
千鶴さんは、判断の流れを説明するための架空の人物です。
最初に分けたい「番号が知りたい」と「通知書が必要」
相談の準備や提出書類の記入で番号が必要なら、まず番号を確認する方法を探します。通知書の提出を求められているなら、提出先に「番号の記入だけでよいか」「別の書類で代用できるか」を確かめます。手元に通知書がないという理由だけで、申請書を書き始めなくて大丈夫です。
| 今、困っていること | 最初にすること |
|---|---|
| 番号を知りたい・記入したい | 手元の番号記載書類やマイナポータルなどで確認する |
| 通知書の提出を求められた | 番号の記入や別の書類で足りるか、提出先に確認する |
| 年金を受給中で、通知書がない | 代わりになる年金証書を確認する |
| 受給中ではなく、紛失した通知書の再交付が必要 | 加入している、または最後に加入した制度を確認して申請へ進む |
年金を受給している方は年金証書を確認する
日本年金機構は、年金を受給している方は年金証書が基礎年金番号通知書の代わりになるため、通知書の再発行は不要と案内しています。年金証書まで見つからない場合は、通知書ではなく、年金証書等の再交付の案内を確認します。
ここで見るのは年齢だけではなく、自分が年金を受給しているかどうかです。「68歳だからこの申請」と決めず、受給状況と必要な書類を照らし合わせてください。根拠は日本年金機構の年金手帳・基礎年金番号通知書をなくした場合の案内です。
番号だけなら、手元の書類かオンラインで確認する
書類で探すときは、書類名と番号欄を見比べる
日本年金機構が番号の確認方法として挙げている書類には、基礎年金番号通知書、青色の年金手帳、国民年金保険料の口座振替額通知書、納付書・領収書、年金証書、年金額改定通知書、年金振込通知書などがあります。全部をそろえる必要はなく、持っているものから確認します。
年金手帳なら何色でも同じとは考えず、青色以外の手帳の場合は、上記の別の書類で確認してください。また、通知書に並ぶ数字を見つけただけで転記せず、「基礎年金番号」の欄かを見ます。年金コードや別の整理番号との取り違えを防ぐためです。

スマートフォンで確認できれば、書類探しを続けなくてよい
マイナンバーカードでマイナポータルにログインし、トップページの「年金」から情報を取得すると、基礎年金番号が表示されます。情報を取得できる時間は、土日祝日を除く午前8時30分から午後11時です。時間外に表示されないことを、番号がないという意味に受け取らないようにします。
すでにねんきんネットへログインできる方は、そのトップページでも確認できます。番号を知るためだけに新しい書類を増やす前に、使える方法がないかを見てください。画面の操作や対象書類は、日本年金機構の番号確認方法で確認できます。

ねんきん定期便の「照会番号」は別の番号
ねんきん定期便を見つけても、そこにある「照会番号」を基礎年金番号として書き写してはいけません。照会番号は、定期便やねんきんネットについて電話で問い合わせるときに使う12桁の番号です。ねんきんネットの利用申込みに、基礎年金番号の代わりとして使うこともできません。
手元の書類やオンラインで番号を確認できない場合、日本年金機構は、ねんきん定期便を用意して専用窓口へ電話する方法を案内しています。この場合、番号が記載された書類が後日郵送されるのであって、電話口で番号を教えてもらう方法ではありません。
基礎年金番号そのものは、メールや電話では回答されません。電話では、確認のための次の手順や必要な書類を相談します。定期便もない場合は、そのことを伝え、手元にある書類でどの確認方法を使えるか尋ねましょう。
照会番号の扱いは日本年金機構の照会番号の説明、郵送による番号確認の経路は前節の番号確認方法で確認できます。問い合わせ前に、必要な書類名と提出期限が分かっていれば、相談内容を絞れます。

通知書の再交付が必要なら、加入区分から提出先を決める
ここからは、年金証書で代用する受給者の方ではなく、通知書の紛失・破損などで再交付が必要な方の手順です。用紙は「基礎年金番号通知書再交付申請書」。基礎年金番号が分からない場合も、個人番号(マイナンバー)を記載して申請する方法があります。
現在の加入制度がないときは、最後の加入制度を確認する
国民年金第1号被保険者や任意加入被保険者は、事務センター、近くの年金事務所、住所地の市区町村役場が提出先です。厚生年金保険・船員保険の被保険者は、勤務先を経由するか、直接、事務センターや管轄の年金事務所へ提出します。
国民年金第3号被保険者は、配偶者の勤務先所在地を管轄する事務センターまたは年金事務所が提出先です。現在は加入していない方で、最後に加入した制度が国民年金(第1号・任意加入・第3号)または厚生年金保険・船員保険だった場合は、近くの年金事務所または事務センターへ提出します。「退職済みだから市役所」と一律に決めず、最後の加入制度を伝えて提出先を確かめます。
共済組合だけに加入していた方は共済組合用の通知書の手続きになるため、年金事務所などへ相談してください。自分の区分が曖昧なら、書きかけの用紙を複数の窓口へ送るより、先に問い合わせる方が行き違いを防げます。区分別の提出先と添付書類は、紛失・破損時の再交付手続きに掲載されています。
電子申請は「番号を見る画面」と同じではない
再交付の提出方法には、電子申請、郵送、窓口持参があります。ただし、マイナポータルで番号が見えたことと、同じ画面から通知書を再交付申請できることは別です。
e-Govの手続検索には、基礎年金番号通知書再交付申請書の「国民年金」と「厚生年金保険」が別々に掲載されています。対象は被保険者または被保険者だった方で、紛失・破損などの申請理由や電子署名の条件も確認が必要です。まずe-Govの再交付手続一覧で自分に合う手続きを選びます。
一方、ねんきんネットの通知書再交付申請の対象一覧には、基礎年金番号通知書は含まれていません。「通知書」という名前だけで別の申請画面に進まないようにしましょう。電子申請の準備が難しい場合は、確認した提出先への郵送や持参を選べます。
申請前にそろえるものと、受け取りで間違えやすいこと
本人確認と送付先を一度に確認する
日本年金機構の申請書・記入例を開き、氏名、住所、加入制度などを照合します。古い印刷物の記憶で書かず、提出時の様式を使ってください。
勤務先を経由せず、マイナンバーを記入して提出する場合は、番号確認と身元確認の書類が必要です。マイナンバーカードを使う場合、郵送では表裏両面のコピーを添付します。カード以外を使うときは、番号を確認できる書類と身元確認書類の組合せを公式案内で確認してください。すべての申請者に同じコピーが必要という意味ではありません。
再交付された通知書は原則、日本年金機構が管理している住所へ送られます。引っ越した方は、申請書に新住所を書けば送付先の問題も解決すると決めつけず、登録住所の確認や変更が必要かを提出先に尋ねます。
家族に頼む場合も、窓口で受け取れるとは限らない
本人確認書類を持って本人が年金事務所へ行けば、窓口交付が可能です。ただし、誰でも必ずその日のうちに受け取れると考えず、必要な書類と対応を来所前に確認します。
本人以外の窓口受け取りは、社会保険労務士など、法定代理人、勤務先を通じた申請での事業主など、公式に示された代理人に限られます。家族というだけで窓口受け取りができるわけではなく、委任状を持たせればよいとも限りません。相談・申請を手伝ってもらうことと、通知書の受け取りを頼むことは分けて確認しましょう。
一人で外出しにくい場合は、無理に窓口へ出向く前に郵送の方法を確認できます。家族や支援者に連絡してもらうときも、必要な支援の範囲を伝え、マイナンバーや本人確認書類の画像を不用意にメッセージで送らないようにします。

提出後は「届いたか」と「本来の用事が済んだか」を確認する
申請した場合は、提出日、提出先、申請方法、手元に残した控えをまとめます。郵送の追跡番号や電子申請の受付番号がある場合は、それも残します。番号を確認するための郵送依頼と、通知書の再交付申請を区別して書いておくと、後で問い合わせるときに話が通じやすくなります。

一律に「何日で届く」と予定を組まず、提出先で受け取りの目安を確認してください。必要な期限に間に合わないときは、書類を求めている相手にも、番号の確認だけで先に進められるかを相談します。申請したことだけで、その先の用事まで完了したとは考えないことが大切です。
届いた書類は氏名や番号欄を確認し、最初に必要としていた記入・提出に使います。見当たらないからと同じ申請を繰り返す前に、控えを手元に置いて提出先へ状況を問い合わせましょう。
千鶴さんが決めたのは、再発行より先に確認する順番
千鶴さんは、再交付の申請書を用意する前に、相談したいことと、手元で番号を確認できそうな書類を書き出しました。「書類をそろえる」ことではなく、「今の用事に必要な情報を確かめる」ことが目的だと整理できたからです。
まずは番号だけで足りるかを確認する。受給中なら年金証書を見る。それでも通知書の再交付が必要な場合に、自分の加入区分に合う提出先へ進む。この順番なら、不要な申請や窓口への往復を減らせます。
この記事は、番号が分からないときと通知書をなくしたときの判断を扱っています。手元の年金手帳を保管すべきか、通知書への切替で何が変わったかを知りたい方は、年金手帳の廃止と保管についての記事を確認してください。手続きの対象・様式は変わることがあるため、申請時には本文中の日本年金機構とe-Govの案内を確認しましょう。
