「老後はいくら必要?」と検索するほど、金額の大きさに圧倒されてしまう。そんなときは、世間の平均ではなく自分の毎月から始めます。家賃、食費、年金の見込額、何歳まで働きたいか。順番に置けば、ぼんやりした不安は「次に確認すること」へ変わります。
まず30分で、4つの数字だけ集める
- 今の生活費:家賃を含む固定費と、食費・交際費など変わる支出を分ける
- 老後にも残る支出:住居費、医療、家電の買い替え、旅行や趣味を置く
- 公的年金の見込額:ねんきん定期便やねんきんネットの本人額を見る
- 使える資産:預貯金と運用資産から、直近に使うお金を分ける
最初から家計簿を完璧にする必要はありません。通帳やカード明細の直近3か月を見て、「生活を守る最低額」「今に近い標準額」「少し楽しむ額」の3段階を作ると、切り詰めすぎない試算になります。
不足額は、ひとつの答えではなく幅で見る
月の生活費から公的年金などの定期収入を引き、その差を生活する年数で積み上げるのが基本です。ただし、退職年齢、家賃、働いて得る収入が少し変わるだけで結果は動きます。まずは老後資金の不足額シミュレーターで条件を変え、どの数字の影響が大きいか確かめてください。
- 年金額がまだ分からない:公的年金の見込額を確認する
- 年収別の目安から入りたい:平均年収別に老後資金を試算する
- 今の年代で何をするか知りたい:年代別の備え方を見る
「いくら貯める?」の前に、暮らしを選ぶ
老後資金は、我慢の総額ではありません。都心に住み続けたい、年に一度は旅行したい、車を手放したい、70歳まで週に数日働きたい。残したい暮らしを先に書くと、削ってよい支出と備えるべき支出が分かれます。住居費が大きい人はひとりの住まいの考え方も一緒に確認すると、数字が現実に近づきます。
備え方は「使う時期」で分ける
| お金の役割 | 先に考えること | 候補 |
|---|---|---|
| 近いうちに使う | 病気、引越し、家電故障へすぐ対応できるか | 普通預金など流動性の高い資金 |
| 数年後に使う | 使う時期と金額が見えているか | 定期預金、個人向け国債など |
| 長く育てる | 値動きと途中取り崩しに耐えられるか | NISA、iDeCoなど |
| 将来の定期収入にする | 途中解約、受取期間、費用を理解できるか | 個人年金保険など |
個人年金は、老後の受取額を決めやすい一方、自由に使いにくい期間や費用があります。返戻率だけで選ばず、個人年金を検討する前の比較ハブで受取・保証・解約まで見てください。
退職日を決める前に、健康保険も入れる
会社を辞めると、給与天引きだった健康保険料が急に大きく見えることがあります。任意継続、国民健康保険、家族の扶養では条件も負担も違います。退職後の生活費を作るときは、退職後の健康保険を比べる手順を月額に入れてから退職時期を決めましょう。