固定電話が鳴るたびに、知らない相手ではないかと不安になる。番号表示や録音機能付きの電話機を使えば減らせる電話はありますが、申し込めばすべての詐欺を止められるわけではありません。
この記事では、NTT東日本・NTT西日本の番号表示・非通知拒否の高齢者向け無償化と、録音機能付きの電話機・アダプタを選ぶときの確認点を整理します。「無料」は年齢、同居条件、契約回線、対応機器、申込手続きなどの条件を満たした場合に限られるため、申し込み前に自分の契約を確認してください。情報は2026年9月24日に公式情報を確認した時点のものです。

先に結論:最初に「出ない仕組み」を作る
警察庁は、特殊詐欺の対策として犯人と話をしないことが効果的だと案内しています。固定電話では、番号表示で相手を確認し、非通知拒否で非通知の着信を受けないようにする方法があります。
ただし、番号が表示されても本物とは限りません。公的機関や家族を装う電話もあるため、表示された番号へその場で折り返さず、公式サイトや手元の連絡先から確認することが大切です。
- 知らない番号にはすぐ出ない
- 非通知着信は受けない設定を検討する
- お金、暗証番号、キャッシュカードの話が出たら切る
- 家族や警察相談窓口へ別の電話から確認する
NTTの「無料」は何が無料なのか
警察庁の案内では、NTT東日本・NTT西日本の契約者のうち、70歳以上の人、または70歳以上の人と同居している契約者は、条件を満たせば番号表示サービスと非通知拒否サービスの月額利用料・工事費が無料になるとされています。申し込みが必要で、対応機器などの条件もあります。
ここで注意したいのは、電話機本体や、すでに持っている回線のすべての費用が無料になる制度ではないことです。光回線の電話、ひかり電話相当サービス、他社の光コラボなど、契約形態によって申込先や扱いが変わる場合があります。

番号表示と非通知拒否の違い
| 機能 | できること | 注意点 |
|---|---|---|
| 番号表示 | 着信時に相手の電話番号を表示する | 表示された番号の真偽までは判断できない |
| 非通知拒否 | 非通知の相手へ番号を表示してかけ直すよう案内する | 非通知の正当な電話もつながらない |
| 録音機能 | 通話前の警告や通話内容の録音に対応する機種がある | 機能・保存期間・設定は機種ごとに違う |
非通知拒否を使う場合、警察庁の案内では番号表示と非通知拒否をそれぞれ申し込む必要があるとされています。片方だけ申し込めばよいと思い込まず、契約先の手続き画面で確認します。
東日本と西日本で確認先を分ける
NTT東日本とNTT西日本では、申込ページ、対象となるサービス、問い合わせ窓口が分かれています。住所だけでなく、契約している電話サービスの提供元を確認してから、該当する窓口へ進みます。
警察庁の案内には、NTT東日本の特殊詐欺対策ダイヤルとNTT西日本の特殊詐欺対策ダイヤルが掲載されています。東日本の案内に出ている番号を、西日本の契約者がそのまま使えるとは限りません。公式ページで地域と契約を照合してから電話するようにします。
無料対象でも申込前に確認する項目
| 項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| 契約名義と年齢 | 無償化の対象者条件を確認するため |
| 同居の有無 | 70歳以上の同居条件を確認するため |
| 回線種別 | 申込先や対応サービスが変わる可能性があるため |
| 電話機の機能 | 番号表示や録音が使えるか確認するため |
| 工事・機器費 | 月額以外の初期費用を把握するため |

録音機能付き電話機・アダプタを選ぶとき
電話機やアダプタを選ぶときは、「特殊詐欺に強い」という宣伝文句だけで決めません。通話前に警告音声を流すのか、通話を自動録音するのか、録音を再生・保存できるのかを確認します。
NTT東日本の料金案内では、福祉割引を適用しない場合の特殊詐欺対策サービスと通話録音機能付き端末の合計月額が1,430円と案内されています。ただし、対象回線、割引、機器、提供地域で条件が変わるため、この金額をすべての契約者の料金とは扱わないでください。
- 自宅の電話回線に接続できるか
- ナンバーディスプレイ対応の電話機か
- 録音の開始条件と保存容量
- 停電時や電池切れの動作
- 解約時に機器返却や残額があるか
録音は「証拠が残る」だけで、被害を防ぐ保証ではない
録音機能があると、会話を後から確認したり、相談時に状況を整理したりできます。一方、録音されているから話してよい、相手を信用してよい、という意味ではありません。
録音の開始前に相手が切った場合、保存されない機種もあります。警告音声、録音の開始タイミング、保存先、消去方法は製品ごとに違うため、購入後ではなく購入前に説明書やメーカーの仕様を確認します。
電話機を家族や支援者が設定する場合も、暗証番号や録音データの扱いを共有します。本人の意思に反して常時録音を行うのではなく、何を目的に、誰が確認できるのかを決めておくことが必要です。

申し込み前に契約を確認する順番
- 電話料金の明細で、NTT東日本・NTT西日本・光コラボなどの契約先を確認する
- 固定電話の番号と、ひかり電話相当などのサービス名を確認する
- 70歳以上の本人または同居条件に当てはまるか確認する
- 今の電話機が番号表示と録音機能に対応するか確認する
- 公式の申込画面または特殊詐欺対策ダイヤルで、無料対象と工事条件を確認する
契約が分からないまま、検索広告や電話で勧められた「無料対策」に申し込むのは避けます。公式サイトから申込先へ進み、請求元とサービス名が一致するかを確認してください。

電話機を変えなくても先にできる対策
機器を購入する前に、電話の近くへ「お金の話は一度切る」「家族や公式窓口へかけ直す」というメモを置きます。留守番電話を使えるなら、呼び出し音が鳴る前に相手が名乗る設定も検討します。
海外との通話が不要なら、固定電話への国際電話の利用休止も選択肢です。警察庁は国際電話番号を悪用した詐欺への対策として、利用休止の申込みを案内しています。これは番号表示・録音機能とは別の対策です。
一つの機能で安心しきらず、出ない・確認する・相談するを組み合わせることが重要です。
国際電話の利用休止は別の手続き
番号表示や非通知拒否を申し込んでも、国際電話の着信を自動的に止めるとは限りません。海外からの電話を普段使わない人は、国際電話の利用休止が自分の回線で使えるかを別に確認します。
反対に、海外の家族や仕事先から電話が来る場合は、利用休止で必要な着信まで止める可能性があります。先に必要な国際電話があるかを整理し、困る場合は別の連絡手段を決めてから申し込みます。

怪しい電話を受けたときの対応
- 相手の名前、所属、用件を聞き続けずに電話を切る
- 相手が示した番号ではなく、公式サイトや手元の番号へ確認する
- 現金、カード、暗証番号、口座情報を渡さない
- 不安がある、または被害に遭った場合は警察相談専用電話#9110や消費者ホットライン188へ相談する
- 録音や着信履歴があれば、消さずに保管する
「今すぐ」「誰にも言わないで」と急かされても、その場で決めないでください。家族がいない場合も、警察や消費生活センターなど、第三者へ確認する手順を先に決めておくと対応しやすくなります。
お金を渡してしまった場合
すでに振り込み、カードの情報提供、現金の手渡しなどをしてしまった場合は、相手とのやり取りを続けて取り戻そうとしません。金融機関、警察、消費生活センターなどへ、できるだけ早く相談します。
電話番号、着信日時、相手が名乗った名前、要求された内容、振込先などをメモします。録音がある場合は元データを残し、加工したコピーだけを共有します。相談先から求められた情報を順に渡し、自己判断で相手へ連絡し直さないようにします。

家族に頼らず自分で確認するチェックリスト
- 契約先とサービス名が分かる
- 70歳以上または同居条件を確認した
- 番号表示の申込要否を確認した
- 非通知拒否の申込要否を確認した
- 電話機・アダプタの対応条件を確認した
- 月額、工事費、機器費、解約条件を確認した
- #9110・188などの相談先を書いた
確認先は、警察庁・SOS47の固定電話対策ページ、NTT東日本の特殊詐欺対策ページ、NTT東日本の料金案内です。NTT西日本を利用している場合は、警察庁ページから西日本の案内へ進み、対象条件を確認してください。
公式案内の内容や料金は更新されることがあります。申込直前に、契約地域と回線名をもう一度照合してください。

まとめ:無料条件と機器条件を別々に確認する
NTTの番号表示・非通知拒否には、高齢者向けの無償化がありますが、申し込みと対応条件が必要です。録音機能付き電話機やアダプタも、料金だけでなく回線との互換性、録音方法、解約条件を確かめてから選びます。
今日できる次の一歩は、電話料金の明細と電話機の型番を手元に置き、公式案内で「自分が対象か」「何を申し込むか」を確認することです。電話で急かされた場合は、相手の案内ではなく、#9110や188などの相談先へ自分から連絡してください。
