4,700円のハンバーガーが、52階の夜景を背にして運ばれてきた。
ひとりで食べるには、ずいぶん立派な舞台だった。
グラスにはカシスオレンジ。窓の外には新宿の灯り。周りから聞こえるのは、ほとんど外国語。
海外旅行に来たわけではない。
仕事帰りに、西新宿まで来ただけだった。
新宿駅から、少しだけ遠い
パーク ハイアット 東京は、新宿の中心から少し離れている。
この夜の訪問者は、新宿駅からタクシーに乗った。普段なら少し迷う距離でも、この日は最初から「セレブ気分に浸る日」と決めていた。
車を降りると、高いビルを見上げることになる。緊張しながらドアマンの案内を受け、まず45階へ向かった。

当時、ニューヨーク バーへは直通で行かず、ピーク ラウンジのある階を抜け、ジランドールを通り過ぎ、奥の高層階用エレベーターへ乗り継いだ。
途中にはライブラリーのような空間があった。
バーへ着く前から、日常が一枚ずつ剥がれていった。
「おひとりさまでよろしいでしょうか」
52階でエレベーターを降りると、新宿の夜景が広がっていた。
窓際の受付で、姿勢のきれいな女性スタッフに迎えられた。
「いらっしゃいませ。おひとりさまでよろしいでしょうか」
「はい」と答える。
当時は、20時を過ぎて生演奏が始まると2,400円のカバーチャージがかかる、と案内された。
席はテーブルかカウンターかを聞かれた。今日は食事をいくつも頼むつもりだったので、テーブルを選んだ。
周囲にあまり人のいない席へ通された。当時の記録には、店内の大半が海外からの客に見えたとある。数字を数えたわけではない。それでも、日本のホテルにいるのに外国のバーへ紛れ込んだような感覚だった。
一人でいることより、窓の外を見ずにいることのほうが難しかった。

高層階の景色に気を取られますが、ひとりでは料理の提供間隔も居心地を左右します。次の予定を詰めすぎず、食後の余韻まで席に置いておきました。

カシスオレンジを、もう一杯
最初にチャームが来た。空腹だったので、考えずにぽりぽり食べた。
目当ては二つあった。カシスオレンジと、当時4,700円だったニューヨークバー和牛チーズバーガー。
バーに来てカシスオレンジを頼むことを、少し気にしていた。でも、注文すると何事もなく受けてもらえた。
運ばれてきたカシスオレンジは、オレンジの輪郭が濃かった。
あらゆるカシスオレンジを飲み歩いてきた私が言うのですから、間違いありません。
残っている本文にはそうある。もちろん東京一を測ったわけではない。けれど、その夜の本人にとって一番だったことはよく分かる。
一杯飲み終わり、同じものをもう一杯頼んだ。
4,700円には、夜景も入っていた
和牛チーズバーガーは、肉の存在感が強かった。
噛むと肉汁が広がる。付け合わせのポテトも、ケチャップも、いつものハンバーガーとは違って見えた。
本当に料理だけで4,700円の価値があるのか、と聞かれたら難しい。
でも、52階の夜景、ホテルのサービス、外国へ来たような空気まで一緒に食べていると思うと、不思議に納得してしまう。
値段を忘れたわけではない。値段を覚えたまま、楽しくなった。

満腹なのに、チョコレートも頼んだ
バーガーでかなり満たされたところへ、フルーツの盛り合わせを追加した。
飲み物が空になると、店員さんがすぐ声をかけてくれる。当時の訪問者は、その速さを「秒速で飛んでくる」と表現している。
フルーツまで食べれば、普通は終わる。
ところが、記念だからと「ニューヨークバーチョコレート」も頼んだ。
少量のチョコレートを想像していたら、ドライフルーツと一緒にしっかりした量が来た。甘すぎず食べやすい。それがかえって危ない。
全部食べ終わるころには、お腹がぱんぱんだった。
演奏が始まる前に、夢から出た
もう少し長居してもよかった。
けれど、この日は満腹になり、当時のカバーチャージがかかる前に帰ることにした。
テーブルで会計を頼み、きらめく店内を後にした。

当時の訪問者は、ジャズの生演奏も体験してほしいと熱く勧めている。本人はその夜、始まる前に帰っているのだけれど。
その少しちぐはぐなところまで、満足して帰った夜の勢いなのだと思う。
仕事帰りに少し遠回りをして、52階でハンバーガーを食べる。一人の夜は、予定を入れなければただの平日で、思い切って上まで行けば旅行のようにもなる。
ホテルは改修を終え、ニューヨーク バーも営業している
パーク ハイアット 東京は19か月にわたる修復・改装を経て、2025年12月に営業を再開しました。現在のニューヨーク バーも52階にあります。
2026年9月7日に公式ページを確認した営業時間は、毎日17時〜24時。フードのラストオーダーは23時、ドリンクは24時です。
旧訪問記の館内動線や内装は、改修前の記録です。現在はホテル内の案内に従います。
現在は18時30分から、1人3,300円
旧訪問では「20時以降、2,400円」と案内されました。現在の条件は異なります。
公式ページでは、17時〜18時30分はカバーチャージなし。それ以降は1人3,300円(税込)です。生演奏は18時30分から始まり、その後も複数回の演奏予定が掲載されています。
予約は受け付けておらず、来店順の案内です。混雑時は待つ場合があります。
入場できるのは20歳以上。保護者同伴でも20歳未満は利用できません。年齢確認のため、身分証明書の提示を求められる場合があります。
現在の和牛バーガーは4,620円
現在の公式バースナックメニューには、ニューヨークバー和牛バーガーが4,620円(税込)で掲載されています。モントレージャックチーズ、ベーコンのグリル、コールスローを合わせた料理です。
ニューヨークチョコレートプレートも3,300円で掲載されています。一方、当時食べたフルーツ盛り合わせと同じ品は、現在公開されている1ページのバースナックメニューでは確認できません。
現在のビバレッジメニューでは、オリジナルやクラシックカクテルの多くが2,640円、ノンアルコールカクテルが2,200円。カシスオレンジは公開メニューで同じ名称を確認できないため、希望する場合は店内で相談します。
表示価格には消費税が含まれていますが、飲食代には別途15%のサービス料がかかります。夜景を見てから会計で現実へ戻らないよう、飲食代、サービス料、時間帯によるカバーチャージを分けて考えます。
夜景を目的にするなら、帰り道まで決める
一人で行く前に決める四つ
- 演奏を聴くか。 18時30分以降はカバーチャージが必要です。演奏を目的にするか、早い時間の夜景を楽しむかで予算が変わります。
- 食事を主役にするか。 バーガー、ピザ、デザートまで一人で頼むと、量も金額も大きくなります。
- 待ち時間を許容できるか。 席の予約はできません。次の予定を詰めすぎないほうが安心です。
- 服装と身分証を確認する。 ドレスコードがあり、入場は20歳以上です。
4,700円のハンバーガーを食べた昔の夜と、現在の条件は同じではない。
それでも、一人で52階まで上がり、窓の外を眺めながら自分のために一杯選ぶ。その非日常は、今もこの場所の中心にあります。
席に着いたら最初に確認すること
メニューを開く前に、サービス料とカバーチャージの発生時間を確認し、ソフトドリンクを含めた上限を決めます。高層階のバーは景色だけでも十分に時間を過ごせるため、料理を一品に絞り、飲み物をゆっくり選ぶ方が一人の夜には合うことがあります。
夜景を見たあとに迷わないために
退店後の移動は、エレベーターの混雑や駅までの徒歩時間も含めて見積もります。演奏を最後まで聴く場合は帰りの交通機関を先に確認し、早めに出る場合は夜景を楽しむ時間を確保する。始まりと終わりを自分で決めておくと、誰かに合わせずに過ごせます。
夜景を楽しむ夜の持ち物を整える
高層階のバーで過ごす時間を決めたら、帰り道の充電や天候、荷物の大きさも確認しておくと余韻まで快適です。店のドレスコードや持ち込み可否を優先し、必要なものだけを選んでください。
ニューヨークバーの一人利用条件を確認する
夜景を楽しむ時間、予算、席の希望を整理してから、来店日の空席とプランを確認します。ドレスコード、サービス料、予約条件は予約前に再確認してください。
一休.comレストランでニューヨークバーの空席・プランを確認する
※営業日・席・料金・予約条件は予約時点の表示をご確認ください。
