30代からのキャリアを考える(後編)
サラリーマンが歩むべき道
30代からのキャリアを考える(前編)では、サラリーマンが現在置かれている環境と今後の見通しが必ずしも明るくないというお話をしました。これまでの社会とは価値観が変わっていく中で、サラリーマンは今後どのような道を歩んで行ったらよいのでしょうか。
選択肢はいくつか考えられます。自身の能力を高めサラリーマン道を極めるというのが1つ目、副業をして収入のラインを増やすというのが2つ目、将来の独立を見越して準備を始めるというのが3つ目の選択肢です。いずれにしても、これまでのようにただ漠然とサラリーマン生活を続けていくのもリスクのある人生になってきたということを理解していただきたいのです。
やり方次第ではストレスフルなサラリーマン生活よりもはるかに魅力的な人生を送れる可能性だってあるわけです。一度きりの人生ですから、多少の努力は必要となりますが、今日楽をして明日苦労するよりも、今日頑張って明日楽できるような道を歩む。これからの時代ではそのような姿勢が求められるのではないでしょうか。
サラリーマンを極める
1つ目の選択肢は「サラリーマンを極める」です。
自己啓発本などによく載っている内容ではありますが、努力に努力を重ね、輝かしい業績を上げ、上司の期待に応え続ける。サラリーマンを極めて出世したいのなら周囲の同僚に負けないレベルで努力を続け輝き続ける必要があります。そのまま部長、役員へと出世できるのであれば、これほど望ましいサラリーマン人生はないことでしょう。
また、それほどの能力を獲得できるのであればひとつの会社に固執することなく、外資系企業のマネジメントとして渡り歩いたり、ベンチャー企業の役員に就任したりと選択肢も増えてくるはずです。しかし、そのような輝かしいキャリアを実現できるのは一握りの限られたプロのサラリーマンだけなのです。多くのサラリーマンはそれほどの能力を獲得することは難しいでしょうし、それを望んでいるかというと微妙なところではないでしょうか。
もちろんそこまで上り詰めなくても無難にサラリーマン人生を終えるというのもひとつの選択肢です。人間はできるだけ変化を避けようとしますので、安定したサラリーマン生活が続いている限りにおいては、なかなか危機感を持つことは難しいです。できるだけ余計な努力はしたくないという方は、万が一のリスクは考えず、無難なサラリーマン人生を極める方向で人生設計するのもひとつの選択肢といえます。
もし腕に自信があるのであれば30代のうちに外資系に転職して高い年収を稼ぐというのもひとつの方法です。外資系は年功序列型の賃金体系ではなく、役割に応じた賃金体系になっているので30歳で1000万円を超えるような年収も十分に可能です。日本企業の終身雇用が崩れた今、必ずしも日本企業型の安い賃金体系で働き続けることが安定につながるとは限りません。であれば、若いうちから外資系の高い賃金体系を享受しつつ、40代以降のリスクヘッジも計っていくというのが、今後のできるビジネスマンのひとつの形になるのかもしれません。
副業を始める
2つ目の選択肢は「副業を始める」です。国税庁の調査によると会社員の10〜30%が何らかの副業を行っているそうです。そのほとんどが収入を補うための副業とのことですが、ここでいう副業は収入を補うためではなく、本業に匹敵もしくは本業を超えるレベルの収入を目指します。どうすれば限られた時間の中で本業を超えるレベルの収入を得ることができるのでしょうか。
例えば、週末を利用して軽作業のバイトをするというのもひとつの副業ではありますが、これでは時間と労働力を切り売りしているだけで大きな収入は見込めません。自分ひとりの労働力を提供するだけではどうしても収入の上限ができてしまうのです。より大きな収入を得るためには自分以外の誰かに働いてもらう必要があります。それはお金かもしれませんし、不動産かもしれません。はたまたコンピューターが代わりに働いてくれるということもあるでしょう。
副業と一口にいってもこのように発展性のある副業でなければ意味がありません。自分自身の労働力を安易に提供して手っ取り早く稼ぐという方法はインテリジェンスなやり方とはいえません。
サラリーマンを極めるのも並大抵の努力ではありませんが、副業を成功させるのも同じくらい大変なことなのです。ただし、やり方次第ではサラリーマンの何倍も稼げるようになりますし、時間にも縛られない生活が実現できます。
株式投資や、アフィリエイトなど発展性のある副業の選択肢はいくつかありますが、それらの道を究めるにはそれ相応の努力が必要です。しかし副業として成功している方がいるのも事実なので、サラリーマン人生への強い危機感と努力する熱意さえあれば紆余曲折しながらも必ずやゴールが見えてくることでしょう。少しずつ情報収集をしながら自分に合った副業を見つけてみましょう。
当サイトでも発展性のある副業への取り組み方や成功するための方法などを紹介していきます。
独立を見越して準備する
3つ目の選択肢は「独立を見越して準備する」です。本当は「副業を始める」の延長線上で、副業が成功したらそのままサラリーマンをやめて独立するというケースが最も望ましいのですが、時間的制約により副業ができないということもあることでしょう。毎日終電帰りで休日も仕事に追われる状況では副業に時間を割こうにもなかなか難しいかもしれません。しかし、今の時代いつまでもサラリーマン生活が続くというのは誰も保証してくれないのです。どんなに忙しく働いていても、会社のために一生懸命努力していたとしても、会社が買収されたり業績が悪くなってしまえばリストラの憂き目にあってしまうことも想定しておかなければなりません。
発展性のある副業は時間さえかければ稼げるようになりますが、逆に時間がないケースでは利益を出すのは難しいのも事実です。副業にかける時間が取れないのであれば、万が一会社をリストラされた場合にどうするのか、人生のリスクヘッジのためにも考えておくに越したことはありません。
独立と一言にいっても、これまでのキャリアを活かした仕事をするのか、はたまたフランチャイズなどノウハウを手に入れて独立を果たすのか選択肢は様々です。いずれにしても自分のやりたいことで、なおかつ失敗するリスクの少ない独立を果たせるよう日頃から情報収集は行っておいた方がよいでしょう。
人生いつ何時逆風が吹き荒れるとも限らないのです。順調な航海をしている今のうちにリスクに備えておくことこそが、現在を生きるサラリーマンのあるべき姿といえるでしょう。