おひとりさまの住まい選び(賃貸編)
実家暮らしと違って、インテリアを自分好みにしたり、好きな時間にテレビを見たりと、一人暮らしは開放感があって誰にも気兼ねをすることがありません。でも、一人暮らしのスタートである住まい選びを失敗すると、住み心地が悪くなってしまうかも。
そこで、おひとりさまの住まい選びのポイントを解説していきます。
シングルライフの家賃相場ってどのくらい?
一人暮らしの住まい探しで大きなポイントになるのが「家賃」のこと。当然のことですが、実家を離れたら家賃を負担するのは自分だけですよね。自分の収入でやり繰りしていると、突然の出費で生活が厳しくなることも。
しかし、「来月払います」と待ってもらうことはできません。毎月、確実に支払えるような家賃設定を考えましょう。
無理のない家賃設定をしよう
住むエリアや収入によっても家賃の考え方は違うかと思いますが、平均的に見ると5〜7万円台の家賃が平均のようです。
憧れの一人暮らしをするときには、こだわりポイントが多くなり過ぎる傾向にあります。「あれもこれも」と理想を並べると家賃の高い物件ばかり候補に入ることもあるでしょう。
シングルライフでは、家賃のほか、光熱費や食費、その他の支払いすべてが自分の収入で補う必要があります。家賃の割合が多くなり過ぎると、交際費や病院費など急な出費が増えて支払いが厳しくなるときもあるかもしれません。毎月の収入と出費のバランスを考えながら家賃設定すべきです。収入と支出がギリギリではなく、貯金ができるくらい余裕があるくらいがいいでしょう。
一般的には収入に対して3割程度が理想と言われています。例えば、月収20万円なら6万円くらいまでが無理のない家賃設定と考えましょう。
また、管理費についても確認も忘れずに。物件情報では家賃部分に注目しがちですが、管理費が別で徴収されることも。例えば、「家賃6万円+管理費3000円」となれば、結果的に毎月63,000円の支払いとなります。
初期費用についても確認しておきたい
賃貸物件を契約するときの初期費用についても確認しておきましょう。敷金や礼金の有無によって、初期費用の額がだいぶ変わってきます。不動産会社に支払う仲介手数料も初期費用の一部です。通常、敷金や礼金がある場合は、家賃をベースに1ヶ月分、2ヶ月分…と計算されていきます。家賃が高ければ負担も大きくなるかもしれません。
一人暮らしで人気の間取りって?
一人で住むならそれほど広くなくてもいいでしょう。一人暮らし向けの物件には、どんなタイプの間取りがあるのか、どれくらいの広さが人気なのかみていきましょう。
一人暮らしの間取りタイプにはどんなものがある?
【1K】
1Kは、「一部屋+キッチンスペース(K)」です。キッチンスペースは狭く、一般的には4.5畳未満を指します。キッチンは独立して、部屋との間に仕切りがあるタイプの間取りです。
【ワンルーム】
キッチン&部屋がひと続きになっている間取り。間には仕切りがありません。
【1DK】
一部屋にプラスして、キッチン&ダイニング(食事スペース)が少し広めの間取りです。
【1LDK】
リビングを兼ねているダイニングキッチンが広めにあり、さらに寝室などとして使う個室があるタイプです。
人気の間取りは「1K」
一人暮らしの約半数に近い割合で選ばれているのが「1K」、次に人気なのが「ワンルーム」です。生活に必要な最小限のスペースとコンパクトな暮らしにはなりますが、家賃的にもリーズナブルなのが魅力です。ワンルームと1Kの大きな違いは「キッチンが独立しているか」ということ。自分の好みに合ったタイプを選ぶといいかもしれませんね。
また、同じ1Kでも部屋の広さがそれぞれ違います。部屋の面積が6畳未満だと、荷物を置くとかなり狭く感じられるでしょう。8畳くらいあると、ベッドやテーブル、ソファなどが配置できるので、少し余裕を持った暮らしができそうです。間取り選びのときには、面積にも注目してみましょう。
人気の沿線ってどのあたり?
東京での暮らしには、公共交通機関での移動が欠かせませんよね。そこで、一人暮らしを快適にするのが交通に利便性のある沿線に住むこと。
やはり山手線沿線は人気があります。東京各所への移動もスムーズで、周辺環境も整っています。ただ、人気沿線ということもあり、家賃は高めの傾向にあります。山手線を離れると家賃は安いですが、日頃の交通移動に若干時間がかかるでしょう。
また、路線が多くて、人気がある駅は「新宿」や「渋谷」。オフィスビルが多いのはもちろん、さまざまな施設が多く、常に賑わっているエリアです。
ショッピング施設もかなり多く、ファッションが好きという若い世代にも人気です。新宿や渋谷は、路線も多くアクセスの良い駅ではありますが、家賃は高いのは覚悟しなければなりません。
また、賑わう街なので治安的には不安が残るエリア。穏やかな一人暮らしを送りたい人には、あまり向いていないでしょう。
安心したシングルライフのために考えたい治安が良い街とは?
一人で暮らすときには、さまざまな不安がつきもの。「自分だけの時間が楽しめる」という反面、「何かあったときに一人は不安」という気持ちもあるでしょう。女性はもちろん、一人暮らしなら治安の良さという観点から物件選びをするのがおススメです。
治安が良いエリアはどこ?
治安の「良い・悪い」を考えるときの参考としてあげられるのが、犯罪件数。人が集まるところは、それだけ犯罪件数も多くなるかもしれません。
東京23区で起きた犯罪件数のデータで見ると、最も件数が少ないのが文京区。学校の数も多く、子育てしやすい街としても人気があります。「犯罪件数が少ない」「子育て世帯にも注目されている」ということからも分かるように、全体的に穏やかな街並みです。
次に中央区や千代田区、目黒区、荒川区なども犯罪件数が少ないので、「治安の良い街に住みたい」というこだわりがあるなら、頭に入れておくといいでしょう。
前項でお伝えした新宿は、繁華街で人が集まるエリアです。犯罪件数で見ると文京区の数倍にものぼる件数なので、緊張感のある毎日となるかもしれません。
周辺環境の利便性を考えた物件選びが大切
物件選びでは、終電の時間や買い物の便利さにも注目してみましょう。シングルで生活している人の多くは、仕事も遊びをバランスよくこなすもの。平日や休日に関わらず、出かけることも多いでしょう。仕事終わりには会社の付き合いや友達との交流で帰宅が遅くなることもあるかもしれません。そんなときには、終電が遅くまであると遅い時間までゆっくりできそうです。
また、自分の通勤時間帯に合わせて、ラッシュの状況を事前にチェックしておくといいですね。
そして、コンビニやスーパーまでも距離も確認しておきたいところ。夜間や雨の日に歩く距離が長すぎると面倒と感じるかもしれません。残業で疲れたときには遅くまで開いているスーパーが近くにあるとかなり便利です。
一人暮らしではこんなポイントにも注目しておこう
ここまで、家賃や間取り、エリアなどに関してお伝えしましたが、それ以外にも考えておきたいポイントがいくつかあります。
収納はじゅうぶん?
おひとりさまは、狭い間取りでもじゅうぶんと思う人も多いようです。
ただ、部屋の収納力にも注目しておきたいところ。特に女性は収納がないと部屋が乱雑になるかもしれません。クローゼットがない部屋だと、タンスや衣装ケース、ハンガーラックなどを購入して対応できますが、結果的に設置するためのスペースが部屋を狭くすることにもなります。自分が置きたい家具や荷物量を考えて、収納にも注目しましょう。
インターネットも確認しておきたい
いまどきは、パソコンやスマホ、タブレットでインターネットを楽しむのが当たりまえ。ただ、光回線が対応になっていないところ、そもそもインターネット環境がないところ…など、自分が考えていたインターネット環境がないこともあるので注意しましょう。
また、インターネット無料という嬉しい物件も増えてきています。回線工事や手続きを自分でしなくてもOK、月々の料金負担がないのが嬉しいメリット。一方でプロバイダが自分で選べないデメリットもあります。
ロフトはいるもの?
部屋の上部の空間を利用したスペースのロフト。ちょっとしたオマケ感覚で一人暮らしでも注目されています。
1Kやワンルームで狭さを感じたとしても、ロフトというプラスαのスペースがあると、オトクな感じがするかもしれません。寝る場所、荷物を置くスペースなど、自分なりに利用できるメリットが魅力です。
ただ、階段をのぼって上がるため、落ちそうになる危険も少なからずあります。就寝スペースとして使うときには、かなり注意しなければならないでしょう。掃除をするときも、若干面倒と感じるかもしれませんね。
ワンルームなのにもう一つ部屋がある感じでメリットもありますが、注意点も踏まえつつ慎重に考えておきましょう。
洗濯機置き場は欲しいかも
物件によっては、室内に洗濯機を置く場所がないこともあります。玄関外に置く、ベランダに置く、置けないなどの場合、「洗濯はどうするの?」を考えなければなりません。そもそも洗濯機が置けない物件を選ぶなら、近くにコインランドリーがあるかのチェックも大切。頻繁に洗濯をするなら、洗濯機がなければやはり不便を感じるでしょう。
「どのくらいの頻度で利用するか?」「コインランドリーに行く時間は確保できるか?」など、自分のライフスタイルとも照らし合わせて考えるようにしたいものです。
まとめ
おひとりさまの生活は、誰にも気兼ねなく自分好みの暮らしができるのが快適。ただ、「こだわり過ぎると良い物件に出会えない」「妥協し過ぎるとこれからの生活に不満」なので、物件選びは慎重にすべき。
今回は、おひとりさまの物件選びのヒントとなる点に絞ってお伝えしましたが、重視したい優先ポイントは人それぞれかと思います。「これは譲れない」という自分なりのこだわりポイントを明確にし、ライフスタイルに合った部屋探しをしていきましょう。