おひとりさまの仮想通貨入門

次世代の決済手段として期待される仮想通貨は、その価値の上昇により投資先としても注目されるようになりました。ビットコインの急騰で仮想通貨に興味を持った人も多いでしょう。しかし、仮想通貨について詳しい知識がないために、取引へとは踏み出せていない方もいるのではないでしょうか？

そこで今回は、これから仮想通貨取引を考えている方へ、仮想通貨のしくみやメリット・デメリットから、取引の始め方までご紹介します。

仮想通貨とは？概念としくみの解説

仮想通貨とは、暗号通貨とも呼ばれ、暗号化されたデジタルデータで通貨の役割を果たすものです。仮想通貨は、ドルや円などの法定通貨のように、紙幣や硬貨のように実体があるものではなく、国で価値が保証されたものではありません。しかし、法定通貨との交換が可能で、決済や送金など法定通貨と同様の機能を持ちます。

仮想通貨は、インターネットでの経済活動が活発化していることからも普及が後押しされ、ビットコインのほかにも、多数の仮想通貨が誕生しているという状況です。また、日本では2017年4月の改正資金決済法で決済手段のひとつと認められ、現在に至ります。

仮想通貨のしくみ

仮想通貨の中核となっているのは、ブロックチェーンです。取引履歴を分散してネットワーク上で管理・共有するP2Pという方式の技術で、ビットコインの創設者サトシ・ナカモトの論文によって提唱されました。管理のためのサーバーがありませんので、仮想通貨そのもののハッキングやシステムダウンなどのリスクはありません。また、取引がブロックチェーン上に記録されるためには、取引の整合性について、ネットワーク上で合意形成を必要とします。そのため、改ざんは非常に難しくなっています。管理のためのサーバーがありませんので、仮想通貨そのもののハッキングやシステムダウンなどのリスクはありません。

仮想通貨のメリット・デメリット

仮想通貨は、世界中の個人に直接送金ができるなど、法定通貨にはない機能がありますが、投資先としてはどのようなメリット・デメリットがあるのかを見ていきましょう。

仮想通貨のメリット

仮想通貨取引の最大のメリットは、将来的に大きな利益が得られる可能性があることです。仮想通貨が脚光を浴びたことで「億り人」が多数登場したように、上場後大きく価格が上昇する通貨も珍しくありません。また、仮想通貨は取引単位が小さく、現状1,000円程度の資金から始められるという点もメリットといえます。さらに、国家が管理している通貨ではなく、発行量上限も決まっているため、インフレとなる可能性がなく、金（ゴールド）と同じような概念を持っているものです。そのため、他の金融投資とのリスク分散としても利用することができます。

仮想通貨のデメリット

仮想通貨のデメリットの1つ目は、価格変動が激しい点です。価格を決定する要素は需給バランスのみであり、株式のように値動きを制限するしくみもありません。したがって、大きな利益が得られる可能性もありますが、反面暴落の可能性もあることを念頭においておく必要があります。

また、2つ目のデメリットとして、仮想通貨取引所のセキュリティリスクも無視できません。取引所がハッキングされ、仮想通貨が流出してしまうというトラブルが起こるからです。しかし、流出問題については、自己防衛で回避できます。保有している仮想通貨を取引所に置いたままにせず、ネットワークから切り離したコールドウォレットに保存しておけば問題ありません。

仮想通貨の将来性

リスクやデメリットがあるとはいえ、仮想通貨のしくみそのものは金融システムに適したものであり、今後の成長が期待できます。日本でも大手量販店などがすでに仮想通貨での決済を導入していることからも明らかでしょう。海外では、企業の資金調達手段としても重要度を増しています。一方で、法定通貨ではありませんので、問題が生じた場合には、国により何らかの規制が行われる可能性もゼロではありません。

仮想通貨の始め方

仮想通貨の取引を始めるには、仮想通貨取引所に口座を開設する必要があります。仮想通貨取引が初めての人なら、国内業者の利用がおすすめです。日本語が利用できますし、日本円で直接仮想通貨を購入することができます。

仮想通貨取引所の口座開設方法

仮想通貨取引所の口座開設のためには、まずアカウントの開設が必要です。アカウントの登録はメールアドレスの登録と簡単な個人情報で開設できます。この時点では、まだ仮想通貨の取引はできません。アカウント開設後、詳細な個人情報の登録と本人確認書類の提出を行い、その後、郵送で口座開設完了の通知が届けば、売買取引ができるようになります。業者によっては、通知に書かれている番号などの入力が必要な場合もあるので確認しておきましょう。

仮想通貨の購入方法

口座開設が完了したら、仮想通貨購入のために必要な資金を入金します。国内業者であれば、日本円を入金し、その資金で仮想通貨を購入します。もちろん、利益が発生した場合には売却し、日本円で引き出すことができます。多くの業者で24時間365日入金が可能なクイック入金に対応していますので、思い立ったときにすぐに入金して、取引を始められます。なお、仮想通貨の取引は、取引所のメンテナンス時間を除き、土日を含む全日です。

取引所と販売所の違い

仮想通貨取引所には、販売所と取引所の2種類があります。販売所は、運営主体が直接仮想通貨を販売するもので、提示価格で即購入ができる代わりに、手数料が高めとなっています。取引所は、ユーザー同士が売買するものであるため手数料は低めですが、売買成立まで時間を要することがあるという違いがあります。多くの業者が販売所と取引所の両方を開設していますので、ニーズに合わせて選択するとよいでしょう。

現物取引とFX取引

仮想通貨は、現物で購入・売却を行うほかにも、差金決済取引、いわゆるFX取引も可能です。レバレッジをかけられるため、資金以上の金額の仮想通貨が取引できます。また、売りから入ることもできますので、相場が下落局面であっても利益のチャンスがあります。少額の投資で大きな利益を得ることも可能です。

仮想通貨の取引におすすめの取引所

仮想通貨を初めて取引をする場合には、日本語に対応し、日本円で直接購入できる国内業者がおすすめです。セキュリティや資産管理体制から、金融庁に仮想通貨交換業者として登録されている業者を選ぶのをおすすめします。今回は、登録業者からおすすめ3社をピックアップしました。また、仮想通貨取引に慣れてくれば、手数料が安く取扱通貨数の多い海外の業者での取引も魅力です。海外取引所のおすすめ1社も合わせてご紹介しましょう。

GMOコイン

GMOグループ運営の仮想通貨取引業者です。GMOグループは証券やFXでも実績があることから、システムや運用について高い信頼性を持ちます。また、即時入金手数料や出金手数料、仮想通貨の送付手数料は無料で、取引コストがかかりません。
取扱仮想通貨はビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、ライトコイン、リップルと主要通貨をカバーしています。アルトコインのFX取引にも対応しており、他の業者と比べてスプレッドが広めであることでも人気です。また、FX専用の取引アプリもリリースしており、スマホからチャートを見ながらの取引も実現しています。アプリの使いやすさやサポート体制から、初心者に最適の取引所です。

Liquid by Quoine

独自トークンQASHの発行でも知られるようになった、QUOINE社の運営する仮想通貨取引プラットフォームです。15社以上の海外取引所と接続しているため、流動性が高いことが特徴となっています。また、セキュリティ対策に力を入れており、仮想通貨は100％コールドウォレット管理と高い安全性を確保しています。取扱仮想通貨は、ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、キャッシュ、リップルで、通貨ペアが豊富です。ビットコインとイーサリアムについてはFX取引にも対応しています。
QUOINE社の注目すべき点は、その将来性です。日本においては準備中となっていますが、QASHトークンによる手数料割引や利息収入のシステムなども提供予定となっています。

BITPoint

MT4チャートが利用できることで、中級者向けとして知られる取引所BITPointですが、入出金手数料や仮想通貨の入出金手数料が無料、アプリが充実していることから、初めての人にも向いている取引所です。セキュリティも証券会社レベルで、独自のホットウォレットとコールドウォレットを組み合わせたシステムを導入しています。取扱仮想通貨はビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、ライトコイン、リップルの5通貨です。現物取引およびFX取引は、ビットコインについては円ベースのほか、米ドル、ユーロ、香港ドルでの取引にも対応していますので、取引チャンスを最大に生かせます。
また、ウォレットアプリ「BITPoint Wallet」を使用すれば、対応店舗で仮想通貨を直接店舗で使用することもできるなど、充実した機能も特徴的です。

Binance

アルトコインに積極的に投資したいのであれば、海外取引所の利用も視野に入れたいものです。Binanceは、香港にある仮想通貨取引所で、アルトコインの取扱数は100を超えます。国内業者では取扱いの難しい新規コインの上場にも積極的ですので、将来の大化けコインを探したいという人におすすめです。
手数料水準は国内業者よりも有利で、取引所専用の通貨BNB（Binance Coin）も発行しており、それを利用すれば手数料は通常の半分になるというメリットがあります。現在取引は英語となりますが、過去に日本語に対応していたことから、日本人の利用も多い取引所です。